研修旅行 (2016-2) 富山 森記念秋水美術館 (秋水の美)

名古屋駅で集合 バス停付近へ移動
左 : 名古屋駅で集合 右 : バス停付近へ移動

 名古屋駅で集合バス停付近へ移動6月19日(日)、名古屋支部恒例の「刀剣研修旅行」として、オープン間もない富山森記念秋水美術館の見学が実施されました。 毎年、梅雨時に開催されるにもかかわらず「雨が降った事が無い」というジンクスに期待して実施されましたが、残念ながら今回はどんより厚い雲に覆われた空から雨がポツポツ落ちて、蒸し暑い1日になり、夕方にはとても傘なしではいられない天気になってしまいました。

 19名の支部員が朝8時40分に名古屋駅からマイクロバスに乗り込み、東海北陸自動車道を一路富山を目指して走り、途中瓢ケ岳PAで休憩し、城端SAで昼食をとり、午後1時ごろ秋水美術館に到着し、現地集合の1名を含め総勢20名で入館しました

マイクロバスの車中 秋水美術館内での集合写真
左 : マイクロバスの車中 右 : 秋水美術館内での集合写真

 この森記念秋水美術館は、日刀保富山支部長であり、リードケミカル株式会社、代表取締役であられる森政雄氏が収集されてきた美術品を中心に広く一般に公開される目的で建設され、6月11日にオープンされたばかりの美術館です。 所蔵品として横山大観、川合玉堂など日本近代美術を代表する画家の作品や、日本、中国の陶芸や書などと、中でも日本刀コレクションは充実しており重要文化財や重要美術品など名刀ぞろいであります。

 またお国柄(越中富山)の則重・郷義弘・宇多派の刀工など、越中刀工のコレクションも充実しており愛刀家にとっても貴重な美術館であります。 建物は3階建てで1階はミュージアムショップ・ギャラリー・研修室・喫茶スぺースがあり、2階は日本刀・甲冑・鍔などの小道具の鑑賞室、3階は絵画・書・陶芸作品や企画展示の鑑賞室となっていました。 各鑑賞室とも展示配置・高さ・傾き・照明など鑑賞しやすく配慮してあり、とても見やすく、落ち着いた気持ちの中で鑑賞することが出来ました。

 美術館の名称で使われている「秋水」は、富山支部の機関雑誌の名称でもあり、美術館のパンフレットには「曇りのない研ぎ澄まされた日本刀を意味する」と解説されていました。 「秋の水」がどうして日本刀を指すのか?疑問に思い少し調べてみましたところ、紀元前の中国の荘子が「秋水」という書物を残し、その時の意味は「秋頃のとても澄んだ水」という意味でした。 以後そこから派生して「曇りがなく、清らかなもの」の比喩として、さらに「心の清らかさ」「剣の曇りのない冷たい光、または曇りなく光る剣」なども指すようになったそうです。 私共の心も常に「秋水」でいたいものだと思いました。

富山 秋水美術館前景 秋水美術館正面
左 : 富山 秋水美術館前景 右 : 秋水美術館正面

 正味2時間の鑑賞時間の内、そのほとんどは2階の所蔵名品刀展「秋水の美」で、それぞれ気に入った刀を何度も見、手に取って見たらどのように見えるか想像しながらその美しさを頭に刻み込んでいました。 3階の開館記念特別展「細川護熙の美と永青文庫の至宝」については、時間の都合上急ぎ足で一通り見て、1階集合場所にて記念撮影を撮って帰りのマイクロバスに乗り込みました。

 午後3時15分美術館を後に名古屋まで約240Km、渋滞を危惧しながら高速道路を飛ばし、トイレ休憩もそこそこに走りましたが、一宮で大渋滞に遭遇、結局名古屋には午後7時30分ごろ到着しました。 今後森記念秋水美術館は展示物など時々チェックして、またゆっくり訪れてみたいと思いました。

名古屋支部 森 雅夫