研修旅行 (2016) 佐野美術館  (備前刀剣王国)

 まだ正月気分の抜けやらぬ1月16日(土)名古屋支部恒例の刀剣研修旅行が実施されました。 今回は佐野美術館で開催されている「備前刀剣王国」の鑑賞を目的に、総勢27名参加されました。 この「備前刀剣王国」の展示は、昨年6月より11月迄東京の「刀剣博物館」にて開催され、その後本年1月24日まで静岡の「佐野美術館」、さらに3月27日まで岡山の「長船刀剣博物館」にて巡回展示開催されています。

 8時30分名古屋駅に新人6名含む23名(女性3名)、マイクロバスに乗り込み、東名高速道路を走り、途中浜名湖SEで休憩し、12時ごろ静岡県三島市にある「佐野美術館」前につきました。 当日の天気は快晴で、途中車窓から見える富士山は頂上から麓までしっかり見え、誠に雄大で美しかったです。 ただ通常1月の富士山であるならば、頂上からすっぽり雪を被っている筈ですが、今冬は暖冬の影響で頂上まで黒く、所々白い筋の雪渓が見えるのが例年と異なる姿でした。

 佐野美術館前で現地集合の4名を加え、総勢27名まずは美術館の食事処「松韻」にて腹ごしらえしてから美術館に入館しました。 美術館ロビーには「渡邉妙子館長」がみえ、ご挨拶した後15:00まで2時間半ほど、それぞれ思い思いに鑑賞しました。

 土曜日の午後、美術館の中は名古屋支部会員が一度に入場したことから一時的には混雑しましたが、時間が経つにつれてバラケ、見たい刀がじっくり見ることが出来ました。 見学者はこの時節柄、いつもより若い女性が目につき、所々で先輩等の解説を熱心に聞きながら、しっかり目に焼け付けたり、メモしたりしている姿がほほえましかったです。

 展示品は全て備前刀の名品ばかり、国宝6振り・重文10振り・重美20振り・特重10振り・重刀17振り・その他10振り、合計73振りで流派・時代の内訳は下記の通りでした。

 1.古備前物 … 14振り
 2.一文字派 … 14振り
 3.長船派(鎌倉時代) … 13振り
 4.長船派(南北朝時代) … 14振り
 5.小反り物 … 10振り
 6.長船派(室町時代) …8振り

 展示品の設置についても、展示順、設置高さ、照明の位置も良く、気品のある姿、美しい潤いのある地肌、千変万化の映り、輝き躍動する刃文等がよく見え、どれも素晴らしい作品ばかりでした。 鑑賞会でもめったに見ることが出来ない備前の名刀を沢山見比べる事により、時代の流れ、流派の違いを確認する事が出来た事や、まさに備前刀の美しさを堪能する事が出来てとても良かったです。

 15:00に鑑賞を終了、佐野美術館玄関前で記念撮影してからマイクロバスに乗り、近くにある三嶋大社で参拝してから帰ることになりましたが、神社前の道路が大渋滞していた為、参拝を断念して、そこから名古屋への帰途につきました。 途中1回サービスエリアで休憩して、名古屋駅には19:00頃到着し、無事佐野美術館「備前刀剣王国」研修旅行が終了しました。

名古屋支部 森 雅夫