研修旅行 (2014) 岐阜羽島 (第11回 東海地区大会)

 平成26年 11月3日(日)文化の日に、第11回 東海地区大会が岐阜県支部主催、三重県支部共催で羽島市文化センターにて開催されました。 参加者は東海4県中心に、東京・富山・岡山・大分・長崎など全国の各支部から約150名位の方が参加され、我々名古屋支部からは招待客も含め27名の方が各自家用車に分乗して参加しました。

 会場の羽島市文化センターは、東海道新幹線岐阜羽島駅から車で5分と交通の便もよく羽島市の文化活動の中核施設として平成10年開館され欧州風の建物の中は、コンサートホールや大小の会議室が整っており、敷地内の駐車場も広く、大変立派な施設でコンサートや文化講座など各イベントが開催されており、今回の地区大会の開催場所としてはふさわしい所でありました。

 午前10時を過ぎるころには大会受付のある4Fは各支部からの出席者であふれて10時30分から4Fで刀剣鑑賞会、3Fで1本入札鑑定が開始されました。 展示鑑賞刀は、重美2口、特重2口、重刀29口、その他23口(現代作家11口)、と刀装具も多く出品されていました。

 まず今回の展示方法で特に目を惹いたのは、岐阜県の現代刀工の作品が順路の最初に展示してあり、その後で古刀期の作品が展示してありました。従来の展示方法ですと時代順に古刀、新刀、新々刀、現代刀と展示されており、だんだん後のほうになりますと疲れて、しっかりと見ることが出来なくなってしまうのが常ですが、刀剣の町「関」という場所柄とか、刀剣文化の保護・伝承するという意味において、新しい試みとして良かったと思います。

 展示場内は普段なかなか見ることが出来ない数々の名刀が展示されており、皆さん熱心に鑑賞されていました。 現代刀匠の作品においては3口ぐらい映りが出ている刀があり、最近は映りも意識してある程度出せるようになったようで、将来どこまで古刀に迫れるか?楽しみです。

 鑑賞は1分30秒のタイマーで順次鑑賞して行きます。 この方法は参加者皆公平で整然と進みますが、混雑の為待ち時間を含めると一通り見るのにかなりの時間を要しました。 3Fの鑑定入札会場には、鑑定入札刀と刀装具の展示があり、こちらにも常時30人位の人が鑑定入札と鑑賞をしてみえました。 中には鑑賞に時間を費やし過ぎ、鑑定入札の時間が少なくあわてて鑑定入札して見える方も居られ、事前に自分で「鑑賞」「鑑定入札」「昼食」の時間配分を上手にしておく必要があると感じました。

 3時からは4Fの鑑賞会場の隣にて式典が開催されました。 壇上の来賓席には、本部から小野会長、石井学芸員、そして静岡東部支部(杉山支部長)・静岡県支部(海野支部長)・三河支部(加藤支部長)・名古屋支部(加藤支部長)・三重支部(早川支部長)・岐阜支部長(近藤支部長)と東海4県の各支部長が着席され、始めに主催の近藤岐阜県支部長から開会の挨拶があり、そして協会本部小野会長からは、地元刀に対する思い(地元刀をもっと評価し、良いものを後世に残し行くようにしてほしい)や、協会の最近の動向(新刀剣博物館の建設・三笠宮彬子様名誉会員就任・各地区大会の開催予定)の話がありました。

 次に1本鑑定入札の解答と解説、そして結果発表を本部石井学芸員からありました。
鑑定刀の個銘と鑑定入札結果は敬称略の以下でした。

 1号刀(刀)村正
 2号刀(刀)肥前正廣
 3号刀(刀)備中 片山一文字 真利(薙刀直し)
 4号刀(刀)堀川広実
 5号刀(刀)尻懸 則長 天 位 :宮野 貞司(東京)

 地 位 :真木 堂智(岡山)、八木 豊(静岡)
 努力賞:加藤 敏夫(名古屋)、松本 慎一(名古屋)、その他支部5名(敬称略)

 午後4時、式典も無事終了し、第11回東海地区大会は閉幕されました。 最後にこの大会の開催に向あたり、岐阜県支部・三重県支部の会員の方々のご苦労に感謝と御礼を申し上げます。

日刀保 名古屋支部 森 雅夫