研修旅行 (2013) 佐野美術館(清麿展)

 まだ残暑厳しい9月7日(土)日刀保名古屋支部は、佐野美術館で開催されている「幕末を駆け抜けた孤高の刀工清麿展(生誕200年記念)」への鑑賞研修旅行を実施しました。 名古屋支部で開催される研修旅行は、2010年静岡県富士市で行われた「東海ブロック大会」参加以来、3年ぶりの研修旅行になりました。

 8時40分に名古屋をマイクロバスに16人乗り込み出発し、名古屋高速道路⇒東名高速道路⇒新東名高速道路を経由して、12時20分頃静岡県三島市の佐野美術館前に到着しました。 当日の天気は、曇り一時雨の予報で、残念ながら楽しみにしていた美しい富士山の姿は厚い雲に隠れて見ることができませんでしたが、現地集合の3名を加え、総勢19名で、まずは美術館隣のお食事処「松韻」で腹ごしらえしてから、14時30分まで「清麿展」を、それぞれ思い思いに鑑賞しました。

 美術館の中は、土曜日の午後でしたが満員でも無く、閑散でも無く、程々の人数で若い男女や何処かの刀好きの仲間が、ショーガラスに額を付けるように皆熱心に鑑賞されていました。 館内には月例鑑賞会でお世話いただいている藤代興里先生もお見えになりました。 展示品は、正行18歳兄真雄との合作処女作から、42歳自ら命を絶つまで24年間年代順に57本の名刀が展示され、わかりやすい解説や、作品を照らす照明もよく、躍動する刃文、その中に輝く沸、匂い粒子、地景が沈み込んだ潤いのある地鉄など見ごたえがありました。

 これだけの清麿の名刀を数多く見るのは、2006年同じく佐野美術館で開催された「虎徹と清麿展」以来で、その時も40本近く「清麿」を見られましたが、今回は年代順に@作刀初期時代A江戸出府後時代B武器講時代C萩打ち時代D四谷正宗時代と清麿の生涯とともに、時代・作風・銘振りの変化等感じながら見ることが出来、とても参考になりました。 鑑賞後、1Fロビー横にある関連図書販売コーナーでは、この感動を忘れないように清麿展の図録を購入される方や、さらにレベルアップを図る為に幾冊かの関連刀剣書の購入されている方などが見えました。

 14時30分に鑑賞を終了し佐野美術館玄関にて記念写真を撮って16名を乗せた、マイクロバスは富士山本宮浅間大社へ向かいました。 今年、富士山が世界遺産に登録され、この浅間大社の参詣者も多くなった事と思いますが、この浅間大社は、全国1300社ある浅間神社の総本宮で、起源も古く第11代垂仁天皇(BC27年)が、富士山の噴火を鎮めるために祀り、806年坂上田村麻呂がこの地に社殿を建てて祀ったとされる。 そして源頼朝、北条義時、武田信玄、徳川家康など歴代の武将将軍、の崇拝を受け、現在の神殿、楼門は家康の寄進で建てられ、重要文化財になっています。 また境内には富士山の湧水による「湧玉池」があり、昔から富士山に登る道者が身を清める水として使用したそうです。 そんな由緒ある富士山本宮浅間大社に15時20分ごろ到着し、一同、刀剣界、名古屋支部の益々の発展をお祈りし、境内を散策しました。

 名古屋へ帰る時間も気になり、散策も早々に切り上げマイクロバスに乗り込み帰路につき、バスの中では定番DVDの「清麿」で無く「綾小路きみまろ毒舌漫談」を見て大笑いしたり、今日見た刀談義をしてる人、ひと寝入りする人など思い思いに過し、19時20分頃、小雨降る名古屋に到着し解散となりました。 バスに乗っている時間が長く疲れましたが、素晴らしい刀を見れたことで満足することが出来、今後の糧としたいと思います。

****皆さん、お疲れ様でした。*****

日刀保 名古屋支部 森 雅夫