第9回東海四県ブロック大会 (2007)

 去る10月7日(日)名古屋市の熱田神宮、宝物館講堂に於いて第9回東海四県ブロック大会が名古屋支部主幹で開催されました。 ご来賓、協会役員の方々、東海四県の静岡県支部、静岡県東部支部、岐阜県支部、三重県支部、愛知県三河支部、名古屋支部の他、大阪支部、兵庫県支部、富山県支部、姫路支部、大分県北支部、岡山県支部、愛媛県支部から総勢220名を越える方々にご参加いただき、盛大に開催する事ができました。

 思い起こせば第1回東海四県ブロック大会は当、名古屋支部で平成4年9月27日に開催いたしました。 今回の大会は15年を経て一巡した記念すべき大会でこの間、関係各位のご努力で日本刀が武器から美術品へ見直される啓蒙活動の一助になったと確信しております。

 当日は曇天でかなり蒸し暑い日となりましたが早朝より各地から多数の方々にお集まりいただきました。 会場の混雑が予想されたため、受付や刀剣鑑賞を予定の午前10時から20分ほど早めて開始させていただきました。

 本大会の出品刀は「熱田神宮御宝刀」重文5口「本部出品刀」特重4口重刀、重美各1口、計6口「名古屋支部出品刀」、重文5口、重美2口、特重14口、重刀16口、その他5口、計42口、合計53口が出品されました。

 名古屋支部においてもこれだけの名刀が一堂に会する事は15年ぶりで、ご来場の全ての皆様に公平にご覧いただけるよう、場内は1分タイマー制(電子音が鳴ったら次に進む)、一方通行、逆行、追い抜き、割り込み禁止とさせていただきました。 また極力鑑賞者の後ろに次の方が立たないよう配慮しました。それから午前中、一時大変込み合い長時間お待ちいただいた皆様にはこの紙面をお借りしお詫び申し上げます。

熱田神宮宝物間講堂(展示会場) 熱田神宮正式参拝
左:熱田神宮宝物間講堂(展示会場) 右:熱田神宮正式参拝

 また、今回お納めいただいた参加費の半分は「熱田神宮創祀千九百年」本宮ご社殿のお屋根銅版葺き替え奉賛費とさせていただきました。

 他の展示物としては、大会参加者全員の皆様対象に無料で熱田神宮宝物館に入場していただき、宝物館の重文「宗吉(古一文字)」重文「国友(粟田口)」重文「真行(古伯耆)」「無銘(相州物)」の4口をご覧いただきました。 大会の一本入札は午後1時締め切り、鑑賞会は午後2時に終了午後2時20分からは参加者全員を対称に熱田神宮拝殿で正式参拝していただき、引き続き3時から名古屋支部、加藤敏夫理事の司会で式典が開始されました。

 式典にはご来賓として宮田理博 熱田神宮権宮司、本部からは小林暉昌協会常務、千葉一雄 事務局長、小泉 陽 理事(兵庫県支部長)、森 政雄(富山県支部長)、東海四県からは杉山清 静岡県東部支部長、海野宏之 静岡県支部長、近藤邦治 岐阜県支部長、早川繁一三重県支部長、岡田光男 愛知県三河支部長の皆様にご参加いただきました。

 次に来賓挨拶に移り、本部佐々淳行会長からのご祝辞を千葉事務局長に代読いただきました。 この後、今大会に際し多岐に亘りご協力いただいた熱田神宮権宮司 宮田理博様よりご祝辞と伊勢神宮と熱田神宮の関係、遷宮にまつわる興味深いお話をお聞かせいただきました。 続いて次回の平成22年第10回東海四県ブロック大会を開催される静岡県東部支部長より、次大会開催に向けた力強い決意表明をご披露いただきました。 その次に協会小林先生にご祝辞と一本入札鑑定のご講評をいただきました。

 今回の入札者数は80名を越え採点に時間がかかり大変ご苦労されたそうです。 一号刀は長則(福岡一文字)小丁字、小互ノ目鎌倉後期の作、福岡から長船に移住したころの作刀と思われ見極めが難しく、吉井の札にも10点が出ました。 二号刀は初代伊賀守金道稲葉志津を目指した作風と言われ、三品帽子とは異なる刃文により難しく、出羽大掾の札にも10点が採点されました。

 三号刀は大原真守、伯耆の安綱の子、焼き落としも顕著に見られ、古備前と異なる。 四号刀は虎徹(若打ち)跳ね虎入道、焼き出し、瓢箪刃、互ノ目大小が入り混じる、虎徹帽子、地刃の冴え等から入札者の8割が当り。 五号刀は青江の守次(鎌倉中〜後期)小板目、小互ノ目、地形、澄み肌、地フ、直刃、逆足が特徴的でした。 全体としては非常に難しい出題でしたが天賞・中村和人地賞・草地義和 人賞・柴田信保 努力賞・真木堂智、渡邊和夫、大沼正博、八木豊(敬称略)の皆様が見事に受賞されました。

 最後に名古屋支部道木吉種理事がご来場の皆様に閉会の挨拶を申し上げ、本大会を大過無く無事に閉幕することができました。 これらは今回の第9回東海四県ブロック大会名古屋大会にご参加、ご協力いただきました関係各位の皆様方のおかげと存じ、この紙面をお借りし重ねて感謝と御礼を申し上げます。

ありがとうございました。

名古屋支部 永田龍三郎